第6回おしゃべり箱
「第6回おしゃべり箱」開催。
作業療法士 : 岸氏の2回目の講話。今回のテーマは『道具の使い方!』
「道具」・「操作する」・「効率性」・「発展性(展開)」
~今日もやってみて、感じて、考えてみましょう~
保護者の方、12名の参加でした。
そもそも「道具」って・・・?
岸先生:「食事では、スプーン・フォーク・箸、勉強では、鉛筆・消しゴム・ハサミなどを
使いますよね?でも、道具を使わせることに集中していたはずが、いつの間にか、
もっと使い方がうまくなって欲しいと思って声かけが多くなったりした経験はありませんか?
道具とは、効率が上がる為に使うものです。」
じゃあ「操作する」ってどういうこと?
何のために道具を使う?
実験:紙に円を描き、ハサミで切る。
ついつい、ハサミを持つ手ばかりに気がいってしまいますが、よーく見てみると?
1:右手、左手の協働運動になっており、紙を持つ手の動かし方も重要。
実は「反対側の手の動き」と「目の動き」が大切なんです。
2:自分の体の真ん中(中心線あたり)で切っている。
と、いうことは・・・
岸先生:「日頃の遊びの中で、子ども達が左右の手を使っていることが大切。
使えるようになっていることは、自分の体の真ん中が分かり、
自分の体を知ることに繋がっていきます。」
「効率性」・「発展性(展開)」
効率が良くなるほど、経験がなくてもできるようになります。今は便利な物が増えましたね。
・「何を」→「どのようにして」→「どうなればいい」という見通しが必要。
結果、『工夫』に発展する。子ども達の発想は面白いです。
例えば・・・
お遊戯会:腕をまっすぐに伸ばす。自分の体がどうなっているか分かっていないと
できないが、ポンポンを手に持ち上に上げてと言えばできたり、腕をまわす練習で
新体操のリボンを持たせると円が描けたり・・・
岸先生:「子どもが自発的に『何かをしたい!』と思わせることが大切。
興味を持って自発的に何かするように仕向けていきましょう。」
講話の中で、岸先生の言葉にあった、
「ちょっと視点を変えてみると、『ことばも道具』『おとなも道具』。」
深ーい言葉でした。
その後、参加していた保護者の方々から個別の質疑がありました。(Q&A)
○3歳のダウン症 歯磨きを嫌がる
歯磨き→口腔内触圧覚
→口の中の唾液の処理
→呼吸のタイミング
→味覚
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⇒岸先生:「どうしても人からされるのは嫌な子どもが多い。鏡を使って口の中を見ながら、
楽しみながら自分でしてみたらいい。触覚が同じでも、見えると気持ちが違う。」
○小学校5年 知的、重度の自閉症
箸を使うとき、右手で箸を持ち、左手は椅子の座面の端を握りながら食事をする。
次第に、右足を左の大腿部に乗せ、上半身をねじっていき、姿勢が崩れていく。
⇒岸先生:「バランスが取れていない。右手で箸を持つときは、左に重心を置いている。
その左の支え方が分からないため、左の方に姿勢が崩れている。左側を助ける工夫が必要。
椅子の背もたれを左のわきに挟んだり、段ボールなどで両脇を固定するなど方法はあります。」
○小学校1年 知的、多動
落ち着けるグッズについて。
季節問わずに、持ち運べるもの、活用できるものを知りたい。
⇒岸先生:「色々試すことがよい。本人が落ち着くものを選べる手立てはとても有効。
ポーチに入れて持ち歩く、その場面場面で本人が選べるようにしておくことも大切。
あとは第3者が見ても、おかしくないものが良いかな。
例えば、セロテープ、保冷剤、バイブレーターなどを使っている子もいますよ。」
※バイブレーター・・・骨伝導を楽しむ、振動を楽しむ子どもも多い。
今回も岸先生の独特の語りで、どんどん引き込まれていき、とても楽しい時間でした。
上手くお伝えできないのが残念です・・・興味がある方は是非次回ご参加ください。
次回の岸氏の講話は来年です。平成30年2月8日(木)於おりなす八女 交流室B
事前に参加申し込みなどの連絡は必要ありません。
岸氏の講話以外の月は、親同士のお喋りをしています。是非覗いてください。
次回は11月15日(水)10:00~ 於おりなす八女 創作練習室Bです。